Navel Orange

Actions louder than the words

Browsing Navel Orange blog archives for September, 2010.

Rare, please

たとえばの話、だ。あなたが小さな村の住人で、その村に1軒しかない酒屋と口論になったとしよう。酒屋に「おまえには金輪際、酒は売らん!」と言われ、返す刀で「誰が買うもんか、馬鹿野郎」と言い捨てた、と。あなたが無類の酒好きなら、すぐに後悔→前言撤回→謝罪となるパターンかもしれない。でも酒を飲まなくても生きてはいけるし、もとより酒屋で買わずとも居酒屋やバーで飲めば済む話だ。買った人から譲ってもらうというという手もある。

一体何のことかって? ほかでもない、例の中国によるレアアース対日禁輸の話だ。

尖閣諸島付近で発生した日本の巡視船と中国漁船との衝突事件により、中国政府は日本へのレアアース輸出を全面禁止した。これを受け、日本の大手マスコミは以下のような情報を流した。

  • レアアースはハイブリッド車などの製造に欠かせない希少資源である
  • 世界の消費量の4ぶんの1を占める日本では、全量を輸入に頼っている
  • 中国は世界の産出量の95%(97%という説も)を占めるレアアース大国である

そして、ほとんどの人がこう思ったに違いない。「えらいこっちゃ。こいつは日本の産業界にとって大打撃じゃないか。悔しいけど中国に謝るしかないのかよ!」とね。

おそらくそれは杞憂である。その理由も箇条書きにしてみよう。

  • 日本の民間企業はレアアースの在庫を持っている
  • 海外で生産している企業にとっては対日禁輸の影響はない(現地調達できる)
  • 中国からの輸入に依存しないための方策がすでに複数とられている

3番目についてもうちょっと補足しておくと、中国は確かに全世界のレアアース生産量の9割以上を占めてはいるものの、埋蔵量としては3割超に過ぎない。日本政府としてはすでに新規調達先の開拓に着手している。また、代替技術やリサイクル技術の研究も進んでいる。

えっと、この件についてはもうちょっと書きたいことがあるんだけど……続きはまた後で。

Even if you are very rich…

連続で申し訳ないが、高校生クイズの数学問題の続き。

ロト6のすべての組み合わせを購入した場合、その合計金額は?

……いや、実際にはこんなに端折った感じではなく、「43個の中から6つの数字を選ぶ」「1枚の値段は200円」といった基本情報も問題文の中にちゃんと含まれていたんだけどね。

僕が試みたのは確率からのアプローチだ。43個中の6つの数字を無作為に選んだ場合に、それが1等当せんする確率を先に求める。それはつまり、全パターンの逆数になるはずだから、その確率の逆数を……って説明が難解すぎるな。たとえば誰かに「何でもいいから0から9までの1桁の数字を思い浮かべてみて」と言い、続いて「えっとね、0でしょ。違う? それじゃ1。それも違うか。じゃ、2……」みたいな感じで全パターンを言っていけば、思い浮かべた数字は必ず当たるでしょ。この場合、見事に一発で当てられる確率は10ぶんの1。全パターンは10通りである、と。この場合の10ぶんの1(0.1)は10の逆数、10は10ぶんの1の逆数ということね。

話をロト6に戻すと、まず、最初に選んだ数字が当たっている確率は43ぶんの6。一応説明しておくと、選べるパターンは43通りで正解が6通り用意されているからだ。では、次に選んだ数字が当たっている確率は? 前述の理論で言えば、選べるパターンが1つ減って42通りとなり、正解も1つ減って5通りになるから……そう、42ぶんの5になるわけだ。同じ方法論で考えると、以降は41ぶんの4、40ぶんの3、39ぶんの2、38ぶんの1となる。

ここで「事象」という確率論の用語を使うなら、上記の事象Aが42ぶんの5、事象Bが41ぶんの4、事象Cが40ぶんの3、事象Dが39ぶんの2、事象Eが38ぶんの1となる。ロト6は6つの数字すべてが一致しなければ一等にはならないから、AからEまでの6つの事象すべてを満たす「積事象」を求める必要がある。用語は難しいがなんのことはない、すべての確率を掛ければいいのだ。これはつまり、ロト6における1等当せんの確率であり、冗長に書くなら「最初に選んだ数字が当たっていて、なおかつ次に選んだ数字も当たっていて、なおかつ3番目に選んだ数字も当たっていて、なおかつ4番目に選んだ数字も当たっていて、なおかつ5番目に選んだ数字も当たっていて、なおかつ最後に選んだ数字も当たっている」確率ということだ。

というわけで、1等当せんの確率は609万6454ぶんの1(≒0.000000164)だと計算できた。全パターンはその逆数だから、609万6454通りとなる。これに1枚あたりの値段200円を掛けると、総額はじつに12億1929万800円。大体分かってたけど、ものすごい額だなぁ。

まぁ仮に、だ。12億1929万800円はたいて全パターンのロト6を買ったとしよう。1等は必ず当たるが、その当せん金(見込み当せん金)は約1億円。なんとまぁ無駄なアプローチだこと。いや、ちょっと待てよ。全パターンを買うということは、2等以下も必ず当たるわけだから、それぞれの当せん金を合計すると……面倒なので計算式は割愛するけど、それでも12億円には到底届かない(おそらく5億円ぐらいか)。あー、夢がないオチですまんね。

Almost circle

そういえば数日前に「あ、これblogに書こう」と思ったネタがあったんだよなぁ。そうそう、高校生クイズの件だ。9月3日のオンエアだったから……数日前どころか2週間近く経っちゃってるよ。しかもネタは数学の問題。そっち系アレルギーの方、すんません。

気になった数学の問題は2つ。それぞれ以下のような問題文だったと思う。

正一万角形のすべての対角線の数は?

ロト6のすべての組み合わせを購入した場合、その合計金額は?

最初の問題は比較的簡単だ。公式(後述します)を知っていれば一瞬で計算できるが、論理的な思考を巡らせることができれば、たとえ公式を知らなくても導き出せる。

まず、多角形のひとつの頂点から対角線が引ける条件を考えてみる。対角線とは「多角形上の異なる2つの頂点同士を結ぶ線分」と定義されるが、なおかつ「そのうちの辺を除く線分」という条件を含む……いや、もうちょっと分かりやすく説明すると、ある頂点Aから対角線を引くことのできない相手(別の頂点)は、ずばり、頂点Aの両端の頂点である。両隣の頂点には対角線じゃなくてすでに「辺」が存在しているからね。さらに、頂点Aから頂点A自身には線分自体が引けないから、正n角形の頂点Aから引ける対角線の数はn-3本ということになる、と。

これを頂点Aだけでなくすべての頂点に当てはめると、正n角形にはn(n-3)本の対角線が引けると思いがちだが、ここで見落としてはいけないのは「重複がある」ということだ。たとえば頂点Aから頂点Cに引いた線分は、頂点Cから頂点Aに引いた線分と同じである。つまり、すべての対角線だと思った線分は各々が二重にカウントされている。これを勘案すれば、公式はn(n-3)/2となる。平易な書き方をすれば、正n角形のすべての対角線の本数は、n×(n-3)÷2である。

ようやっと公式が導き出せたところで、クイズの解答をば。n=10000として公式に当てはめてみると、10000×9997÷2=4998万5000本。ちなみに高校生は即答していた。

ありゃ、1問目だけで結構な字数になっちゃったか。続きは、また。