Navel Orange

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Browsing Navel Orange blog archives for February, 2016.

I am now old enough to need reading glasses

50歳に手が届きそうな年齢になってきたので、さすがに避けて通れなくなってきたのが老眼。とはいえ、仕事で四六時中見ているパソコンの画面の文字は割と小さくても平気だったりする。だから余計にというか、久々に文庫本のページを開いてみて愕然とした。まったく読めないわけではないが、どうにも文字の輪郭がボヤけて視認しづらく、ついつい本を遠ざけてしまう始末。

ここでふと思った。パソコンの画面で普段もっとも見ているであろう文字はテキストエディタのそれだと思われるが、これって文庫本の本文よりも小さいのだろうか?

筆者はかつて出版業界の末席にいたので、印刷物の文字サイズは見た目で大体分かる。件の文庫本の本文は(おそらく)12級というサイズだと思われる。一般には「級」という単位はピンと来ないと思うが、級数に0.7114を掛けた値がポイント数なので、12級=8.5368ポイントになる。

しかしながら、である。ワープロソフトなどで実際にフォントサイズを指定してみると分かると思うが、8ポイントの文字はずいぶんと小さかったりする。まさかこの大きさが単行本の文字とほぼ同じだとは到底思えないだろう。それもそのはず、パソコンのディスプレイに関して言えば、印刷物で用いられる文字サイズとは「見た目の大きさ」が異なるのだ。えっと、本筋から大きく逸脱するおそれがあるので、いわゆるWYSIWYGとかの話は割愛しますね(興味がある人は各自で調べてください)。

印刷物における1ポイントは72ぶんの1インチ(=0.352778mm)だが、今のパソコンに表示されている1ポイントはそれよりも小さい。パソコンなどのディスプレイ装置においては、ポイントという単位はピクセルに等しいので、以降は1ピクセル=1ポイントという前提で話を進める。

調べてみたところ、僕が使っている13インチのMacBook Airのディスプレイ(以下、画面)は127ppiだそうだ。ppiとは解像度を表わす単位で、pixel per inchの略。その名のとおり、1インチ(=25.4mm)あたりのピクセルの数である。それが127ppiということは、25.4mmの中にピクセルが127個あるわけだから、25.4÷127=0.2で、1ピクセルのサイズは0.2mmとなる。

印刷物の1ピクセルが0.352778mmで画面の1ピクセルが0.2mmということは、印刷物の文字のポイント数に1.8を掛ければ、画面におけるほぼ同じ見た目の文字のサイズになるということ。文庫本の本文は約8.5ポイントなので、8.5×1.8=15.3、つまり画面における15.3ポイントの文字とほぼ同じ見た目ということになる。あれっ、15ポイントの文字って、ずいぶん大きくない?

ここまで書いて思ったけど、紙とディスプレイという機構がまったく異なるデバイス(?)を単純に比較したり、フォントのウェイトやファミリー(ゴシックとか明朝とか)の違いを度外視したこの考察自体、かなり公正さに欠ける気がしてきた。まぁとにかく、パソコンのディスプレイなら全然平気な文字サイズでも、印刷物になるとそうでもないことはよく分かりました、はい。

Neither a borrower nor a lender be

「マイナス金利って何? 借金したら利子もくれるの?」

先日、テレビのニュース番組を見ていた奥様が、急にこう言い放った。いや、正確にはこんな発言じゃなかったかもしれないが、ニュアンス的にはこんな感じ。まぁそう思いたくなる気持ちも分からなくもないというか、実際にGoogleで「マイナス金利 もらえる」をキーワードに検索してみると、「利息がもらえる?」とか「お金がもらえるの?」みたいな文章がやたらと引っかかってくる。

あらかじめ念を押しておくが、ここで言う「マイナス金利」の金利というのは、個人が金融機関に借りるローンやクレジットにおける金利ではない。だから当然、借金してさらにお金がもらえるという夢のような話でもない。昨今ニュースなどで取り上げられているのは、1月29日に日銀が決定会合で発表した、日銀当座預金へのマイナス金利の導入実施である(しかも日銀市場初)。

銀行には市中銀行と中央銀行があり、前者は我々が普段利用している銀行のこと。一方の中央銀行とは、国(場合によっては地域)の金融機構の中核となる機関であり、我が国においては日銀こと日本銀行がそれにあたる。中央銀行には様々な役割があり、紙幣や通貨の発行もそのひとつだが、代表的な役割として「市中銀行への資金の貸し出し」がある。

ここでついに、前述した日銀当座預金(日本銀行当座預金)の登場だ。日銀のウェブサイトに丁寧なQ&Aがあるのでこちらから引用するが、ひとまず押さえておきたいのは、市中銀行が中央銀行に決済用の預金口座を持っていること、である。

では、その日銀当座預金にマイナス金利が導入されるとどうなるのか?

それは「もしも自分が頭取になったら」という設定で考えてみるとよく分かる。日銀当座預金口座には相当な額のお金を預けているから、マイナス金利なんてやられちゃった日にはお金がどんどん出て行くばかりでたまったもんじゃない。この場合の金利は預金額に対する利率だから、その預金額をできる限り減らしたほうが得策。日銀にお金をたくさん預けるのはやめて、そのぶんを民間企業への貸付などに使ったり、国債とかを買って運用したほうがいいんじゃねぇの……みたいな流れに必ずなるかどうかは別として、日銀の偉い人(黒田東彦総裁)はそれを期待して異例のマイナス金利導入を決めたわけだ。まぁその有用性も含め、いろいろ議論を呼んでいるようではありますが。

本来なら日銀よりも先にマイナス金利政策を実施したECB(欧州中央銀行)などの例も含め、その目的や実際の効果などを考察するのがスジなんでしょうが、いかんせん筆者は専門家じゃないので、自分なりに調べてみて理解できた部分をざっくりと書いてみた次第。間違いや至らない部分などあれば、ご指摘いただければ幸いです、はい。