ちょっと気になったニュース。ソースはCNN(冒頭部分だけ引用)。

民主主義指数、今年もノルウェーが首位 北朝鮮は最下位

英誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)がこのほど発表した今年の「民主主義指数」のランキングで、ノルウェーが昨年に続いて首位を獲得した。最下位も昨年と変わらず、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)だった。同指数は、世界167カ国・地域を対象に、選挙制度、市民の自由、政府の仕組み、市民による政治参加、政治風土の5項目を総合した民主主義のレベルを、0~10の数値で算出している(0が最も低く、10が最も高い)。

あ、そうか、北朝鮮も民主主義国家だった。国名にもちゃんとあるもんな。だけどほとんどの人がこんな疑問を抱くだろう。「どこが民主主義なの? 共産主義じゃないの?」とね。

この謎(ってほどでもないか)を解くにはまず、「そもそも民主主義とは何ぞや?」を知る必要があるだろう。大辞林第二版にはこう記されている。

人民が権力を所有し行使するという政治原理。権力が社会全体の構成員に合法的に与えられている政治形態。ギリシャ都市国家に発し、近代市民革命により一般化した。現代では、人間の自由や平等を尊重する立場をも示す。

最後の一文が「現代では」と前置きされているとおり、もともと民主主義という政治原理自体には「自由」や「平等」といった要素は含まれていない。言葉の定義的には「何が主であるか?」を問うているだけの話で、文字どおり人「民」が「主」体であれば民主主義なわけだ。

が、皆はこう思うだろう。「人民が主体なんてとんでもない。金正日総書記(亡くなったけどね)が率いる朝鮮労働党の完全なる独裁じゃないか」と。

ポイントは「人民が権力を所有し行使する」という部分をどう解釈するか、だ。北朝鮮には最高人民会議という立法府(議会)がある。最高人民会議は地域や軍区ごとに定められた選挙区から選出された代議員によって構成されているが、これはつまり、国民の総意によって委託運営されているわけで、人民が権力を所有し行使しているととれなくももない。

しかしながら、である。一院制の最高人民会議は、実質、朝鮮労働党のみで構成されていることを忘れてはいけない(一応、朝鮮社会民主党と天道教青友党という政党もあるが、両党とも朝鮮労働党の衛星政党である)。同党の公認を受けない候補者が立候補することすらできないうえ、ひとつの選挙区には1名しか立候補できないので、直接選挙と言えども単なる信任投票に過ぎない。さらに言えばその選挙も秘密警察による監視下にあるから反対票を投じることすら認められず、100%信任される仕組みになっている。つまるところやはりというか、完全な独裁国家(というか、日本は北朝鮮を国家と認定していないけどね)なわけだ。

ちなみに「反対票を投じることすら認められず」という部分に関しては、Wikipediaの「朝鮮民主主義人民共和国」の「公職選挙」の項に詳しく書かれていた。

名目上は秘密投票であり、周囲の視線を遮断した記票所が設けられているが、反対投票を行う時のみ投票用紙に記入を行わなければならず、そしてその記入をするための記票所は列を外れたところに設けられている。元より賛成票を入れるつもりの投票者はわざわざ反対投票の嫌疑をかけられるような記票所に立ち寄ることなく直接投票箱に投函するため、記票所に立ち寄った者は反対者であるとすぐ分かるようになっており、事実上、投票の秘密が保護されない公開投票となっている。また、反対投票を想定していないため、記票所には筆記用具が用意されていないことも多い。

いやはや、すごい国だこと。金正恩体制になっても、変わらないんだろうなぁ。