分かっているつもりで知らないことだらけだった「1票の格差」について、自分なりの考察を書き綴っておく。

まずは分かっていた範囲の確認から。

現在の衆院選は全国を300の小さな選挙区に分けて各選挙区から議員を1人ずつ選ぶ「小選挙区制」という制度のもとに行なわれている(正確には比例代表制と並立だけど便宜上こっちだけに注目します)。選挙区によって有権者数の偏りがあり、必ずしも公平だとは言えない状態にある。2009年に行なわれた前回の衆院選では、その格差が看過できないレベルになり、最高裁が違憲状態と判断した。解散前ギリギリに可決された選挙制度改革法案の「0増5減案」というのは、この格差を緩和するべく有権者の少ないところから議席数を5つ減らす法案であった。

とまぁ、予備知識としてはこんなところかな。上記の「必ずしも公平だとは言えない状態にある」というのは、僕の頭の中にあったフワフワとした認識による表現なので、もうちょっと正確を期す必要があるだろう。あらためて調べてみたことで「必ずしも〜言えない」云々ではなく、明らかに不公平が生じていると言えるからだ。

すべからく候補者にとっては、有権者数が多い選挙区よりも少ない選挙区のほうが楽……いや、楽っていうのは語弊があるから「選挙に勝つための得票数がより少なくて済む」という表現にしておきますね。では、仮にあなたが衆院選に出馬したとして、対立候補が1人しかいないという単純モデルで考えてみよう。候補者が2人ということは、当選ラインに達するために必要な票数はその選挙区の有権者数の半分以上。ライバルとは接戦必至で有権者1人1人に訴えかけるドブ板選挙をした場合、あなたが努力の末に獲得する1票の「重み」は、有権者数が少ない選挙区ほどより重くなる……とまぁ、このあたりについてはそろそろお分かりいただけたものとして先に進みますね。

実際の数字を見てみよう。前回の衆院選においてもっとも有権者数が多かったのは千葉4区の48万9437人。対してもっとも少なかったのが高知3区の21万2376人。じつに倍以上(2.305倍)もの格差があり、これによって最高裁判所に「法の下の平等を定めた憲法に違反する問題が生じる状態」と指摘されちゃったわけだ。

野田総理が率いた民主党は今年7月、前述の「0増5減案」を含む選挙制度改革法案を提出したが、他政党の反対によって廃案となった。0増5減とセットになっていた「比例定数の40削減」が、反対票を投じた党の人たちにとって都合が悪かったんですね。これを踏まえてというか、今月16日に可決されたほうの選挙制度改革法案は、じつは分離した0増5減のみ。つまり、比例のほうの削減については先送りにされちゃった、と。おまけにというか、今回の衆院選は準備が間に合わないなどの理由で違憲状態のまま行なわれるというから、なんだかなぁである。

ちなみに最高裁大法廷が下した「違憲状態」というのは、「違憲(憲法違反)ではあるが、改善するための猶予を与えましょう」という判決のこと。これが改善されないままだと違憲状態から違憲になるわけね。

僕が素人頭で考えるに、小選挙区制をやめて中選挙区制か大選挙区制に変え、各選挙区に複数の議席が割り当てられるようにし、なおかつ各々の議席数は開票後の調整によって決まるというのはどうだろう? 当選がすぐに確定できないけど、これなら少なくとも理論上は格差をなくすことができると思うんですけどねぇ。

いまいちまとまりがなかったが備忘録として書いてみた。こういうのって「旬」であることが大事だしね。