おせち料理は「御節料理」と書き、もともとは節句に作られる料理全般を指す言葉であった。現在のように正月料理のみを意味するようになったのは、江戸時代からだそうだ。

おせち料理は大抵、日持ちするものばかりをチョイスして作られる。その理由として「正月ぐらいは炊事の煩わしさから逃れてゆっくりできるように」あたりがよく知られているところだと思うが、調べてみると他の理由もいくつか見受けられた。「新年は神様を家にお招きするから、台所を騒がしくするべきではない」「正月の神様は『荒神』といって火の神様であるから、彼(?)を怒らせないよう火を使ってはいけない」などだ。まぁ最初に挙げた「炊事担当者を休ませる」のほうが、フェミニストっぽくて女性受けはいいと思いますけどね。

また、おせち料理といえば駄洒落である。いや、駄洒落なんて一括りにしては身も蓋もないが、献立にはそれぞれ縁起を担いだ意味が込められていることは皆さんご存知だろう。昆布巻が「よろこぶ」や鯛が「めでたい」などはそれこそ駄洒落の範疇だが、カズノコの子孫繁栄や田作(ごまめ)の五穀豊穣、栗きんとんの金運、海老の長寿(腰が曲がるまで)などは、昔の日本人のセンスの良さが感じられるところだろう。

この場ですべての献立の意味を網羅するつもりはないが、以下の4つなどは意外に知られていないところだと思うので、正月の会話の小ネタとして覚えておくといいかもしれない。

  • なます = 赤と白の見た目が水引を連想させることから、良縁に恵まれるよう
  • 蓮根 = 穴から未来が見通せるようにともうひとつ、種が多い蓮根にあやかって多産も
  • 干し柿 = 見た目が老人の肌に見えることから、長寿祈願(柿の木自体も長寿)
  • くわい = くわいの芽は大きいことから、出世祈願

単なる「こじつけ」と片付けるなかれ。その背景には、言葉に意味を込めることによってそれが具現化することを願う「言霊信仰」がある。なーんて偉そうにまとめてみたけど、じつは新聞記事の受け売りだったりします。