環境問題に敏感な方ならご存知かと思うが、環境汚染物質の排出量低減のための経済的手法のひとつに「排出権取引(制度)」というのがある。国や自治体、企業といった主体にあらかじめ同じレベルの排出枠を定めておき、削減量に応じて発行される炭素クレジットを、排出枠を超えて排出してしまった側のそれと取引する制度……って、いきなりクレジットとか取引とか言われてもピンと来ないか。
もうちょっと噛み砕いて説明しよう。温室効果ガスを排出する企業に年間1億トンの「枠」が定められたとしよう。A社はなんとか頑張って9500万トンに抑えることができた。すると、500万トンぶんの権利を得ることができ、これを市場に売り出せるようになる。一方、B社は1億500万トンも排出してしまった。これだと500万トンぶんの権利をどこかから買ってこなくてはならなくなる、と。
なんだか環境問題を金儲けの手段に利用していると思われるかもしれないが、実際にはよく考えられた制度だったりする。Wikipediaの「排出権取引」の項にはこんな記述がある。
さて、じつはここからが本題なのだが、(国や企業ではなく)個人レベルではどれぐらいの排出権を獲得できるのか、ものすごく大雑把に試算してみたいと思う。あくまでも箸休め程度の計算ね。
僕は自家用車を所有しているが、ガソリン車の場合、燃料1リットルあたりのCO2排出量は約2.3kgだそうだ。去年1年間の給油記録を集計してみたところ、565.62リットルであった。つまり、ほとんどサンデードライバーである僕が自家用車を運転するだけで、年間およそ1.3トンものCO2を排出している計算になる。逆に言えば、自家用車を手放せばそれだけぶんの排出権が得られると考えられる(のか?)。
では、それがどれぐらの経済効果になるのか? 2005年の世界銀行のデータによれば、CO2換算で1億トンぶんの温室効果ガスの排出権価格は約664億円だそうだ。つまり、僕の1.3トンぶんの排出権価格はたったの863円。ちなみに年間の給油量に課税されたガソリン税の額は約3万円だったりする。
個人と企業を比較することに意味があるとは思えないが、参考のためにこんな記事を引用しておこう。
CDM事業について
勉強してみたが、、、
http://gec.jp/gec/gec.nsf/jp/Activities-CDM_and_JI-Top
途中断念、、
CDM事業も排出権取引と同列の考え方というか、京都メカニズムのひとつなんですね。
最後の引用記事にもあるように、日本の企業Aが外国の企業Bに技術協力してその国の温室効果ガス削減に貢献できた場合も、その削減量に応じたクレジット(排出権)が得られる、と。
これをよその国の政府や企業に転売することで企業Aは利益を得られますので、これが技術協力にかかった費用を上回っていいれば「会社も潤って地球にも優しい」という理想型になるわけです。
実際には、大企業であればあるほどCSR(企業イメージ?)が先行しがちですけどね。