ふと思ったのだが、バルブクリアランス調整というものは本来、経年使用で拡がってしまったクリアランスを適正値に戻す作業のはずである。先日のケースではシリンダヘッド交換という非日常(?)を経ての作業だったため、大事を取ってマニュアル通りの方法をチョイスした(調整自体が初めてということもあったが)が、メンテナンスレベルでのバルブクリアランス調整に限っていえば、もっと簡単な方法があってもいいんじゃないだろうか。
Miniの場合はクランクシャフトのプーリーに1番シリンダの上死点を表わす切り欠き(タイミングマーク)が付いている。が、これを目印にクランクシャフトの回転角を合わせたとしても、それが圧縮上死点なのか排気上死点なのかは分からない。クランクシャフトが1回転する間、カムシャフトは半回転しかしないからだ。が、そのこと自体ははさほど問題ではない。
仮に(2ぶんの1の確率で)偶然、圧縮上死点が出せたとしよう。Miniのエンジンの点火順序は1→3→4→2だから、このときの各シリンダのバルブの状態は以下のとおり。
- 吸排気バルブとも閉じている(圧縮~燃焼行程/基本的な点火時期)
- 吸気バルブは閉じているが、排気バルブは開き始めている(燃焼~排気行程)
- 吸気バルブはまだ開いているが、排気バルブは閉じている(吸入~圧縮行程)
- 吸排気バルブとも開いている(排気~吸入行程/オーバーラップ)
つまり、クリアランスが調整できる(=閉じている)バルブは、1番の吸気と排気、2番の吸気、3番の排気の4つということになる。これだけで全体の半分が調整できるわけだ。
では逆に、排気上死点だったとしたら?
- 吸排気バルブとも開いている(排気~吸入行程/オーバーラップ)
- 吸気バルブはまだ開いているが、排気バルブは閉じている(吸入~圧縮行程)
- 吸気バルブは閉じているが、排気バルブは開き始めている(燃焼~排気行程)
- 吸排気バルブとも閉じている(圧縮~燃焼行程/基本的な点火時期)
もうお気づきかと思うが、この場合にクリアランスが調整できるバルブは、2番の排気、3番の吸気、4番の吸気と排気。すなわち、圧縮上死点の場合のちょうど逆のパターンになる。ということは、最初に合わせた位置が圧縮上死点・排気上死点のどちらであっても、最初に4つのバルブを調整した後でクランクシャフトを1回転させて残りのバルブを調整すれば済む。
シリンダヘッド交換など何らかの理由でクリアランスが極端に狂っていない限り、タイミングマークを頼りに上死点を出した時点でロッカーアームを適当に動かしてみれば、どちらのパターンかはすぐに分かるだろう。おそらく、これが一番簡単な調整法ではないか、と。
やっぱりそうですよね?
ワタシも同じ方法でやっていましたが、センサンのガスケット交換をしたときにロッカーシャフトアッセンブリを組み付けただけの未調整で適正値だったため、不安になりマニュアル通りのやり方でもやってみましたが、結果変わらず。
この方法が一番簡単で早いと思います。
心強いお墨付きをありがとうございます。
近々ハイリフトのロッカーアームに交換するので、また調整することになりそうです。